[ヒットの秘密]カカオたっぷり 健康志向…チョコレート効果(明治) 1998年発売
砂糖がたっぷりで、体にはあまり良くない――。そんなチョコレートのイメージを変えたいと、原料のカカオが含むカカオポリフェノールに注目し、「健康」を切り口に開発した。おいしく味わって体も気遣えるとして、中高年世代を中心に人気を集めるという。標準的な商品の倍以上のカカオポリフェノールを含む。一般的にカカオポリフェノールの量が増えると苦みや渋みが強くなる。開発の際はカカオ豆の配合やチョコレートの加工技術を工夫して味わいやすくした。
それでも発売後は、「苦い」との声が多く寄せられ、売れ行きは低調だった。一時は販売打ち切りも検討されたが、2006年からはカカオの含有量を表示するなどして商品の価値を伝え続けた。
14年頃、カカオポリフェノールが持つ血圧低下や動脈硬化予防といった効果がメディアで多く話題になり始めた。これが追い風となって、19年の推計販売額は215億円と、10年前の約40倍に拡大した。昨年からは二つの商品で、食べても血中ブドウ糖濃度の上昇が緩やかな「低GI」食品であることを表記している。
カカオマーケティング部の新田大貴さんは、「溶かしてドリンクとして飲んでもいい。少し苦いと感じる人にも、口にしてもらえるような提案を続けたい」と話している。
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