武田薬品工業は24日、ビタミン剤「アリナミン」や風邪薬「ベンザブロック」などを製造する大衆薬子会社を、米投資ファンドのブラックストーン・グループに売却すると発表した。売却額は約2420億円。売却で得た資金を使い、海外企業の買収で膨らんだ負債の圧縮を図る。武田薬品のクリストフ・ウェバー社長は、オンラインの記者会見で「事業譲渡により、将来の成長にとって必要な投資を継続することができる」と述べた。売却は2021年3月31日を予定している。
売却する子会社は「武田コンシューマーヘルスケア」で、16年に設立された。武田薬品が全株式を保有している。知名度の高い製品を扱っているが、売上高は全体の2%程度にとどまっている。
武田薬品は、19年1月にアイルランド製薬大手シャイアーを総額約460億ポンド(6兆円超)で買収するなど、積極的に事業を拡大してきた。その結果、純有利子負債が5兆円超に膨らみ、財務の改善が急務となっていた。がんや消化器系などの分野を中核事業に位置づけ、相乗効果が薄い事業の売却を進めている。
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