マスクに「シュッ」とハッカ油スプレー…冷涼感で人気、注文殺到
北海道北見市の「北見ハッカ通商」の工場では、白衣姿の作業員が看板商品「ハッカ油スプレー」の出荷作業に黙々と取り組んでいる。
新型コロナの感染拡大で、人々がマスクを着けて生活する風景は今や日常となった。暖かくなるにつれ、冷涼感を得ようとハッカ油スプレーをマスクに吹き付ける人が増え、5月のインターネット通販での注文数は、例年の15倍ほどに達した。
北見ハッカ通商は、ハッカの産地という北見の土地柄を生かし、1985年からハッカ油スプレーを販売してきた。主な販路は全国で開かれる物産展だが、今年は感染拡大により、3月以降の開催が次々中止になった。
「大幅な赤字を覚悟した」永田裕一社長だが、4月に入ると風向きが変わった。マスク姿の暑さ対策としてSNSで紹介されると注文が殺到。従業員たちは安堵 したが、それもつかの間だった。ハッカ油は十分な量があったが、外注しているスプレー容器が足りなくなった。感染拡大で容器の製造業者のラインが止まったためだ。
その間も注文が押し寄せ、6月末現在の未出荷は数十万本で、解消は9月以降の見込みだ。北見ハッカ通商は近く新しい製造機械を導入し、生産増強を図る。「人々はこれからもマスクを手放さない。需要は続くだろう」。永田社長は、クールな頭で、商機を見る。(金成真也)
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