2020年8月10日月曜日

ニュース

今年一番の暑さ、海水浴場に大勢詰めかけ…密回避の呼びかけに追われる自治体


多くの人たちが詰めかけた片瀬海岸西浜(9日午後、神奈川県藤沢市で)=菅野靖撮影
多くの人たちが詰めかけた片瀬海岸西浜(9日午後、神奈川県藤沢市で)=菅野靖撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響により開設されなかった各地の海水浴場で9日、今年一番の暑さとなる中、家族連れや若者らが大勢詰めかけた。神奈川県の湘南海岸では、小型テントが波打ち際に沿って並び、千葉県の海岸では、遊泳する人と水上バイクが接触しかねない状況となり、自治体などが安全確保と密回避の呼びかけに追われた。若者らに人気がある神奈川県藤沢市の片瀬海岸西浜と鵠沼。開設されず海の家が休業する中、パラソルや小型テントを張る人が相次ぎ、たわむれるカップルや親子の姿が目立った。

 海水浴場組合の関係者によると、1日約9万人が訪れた昨夏のピークには及ばないものの、「目算で2万人くらい」が訪れたという。近隣から家族と訪れた男性(46)は「予想以上の人混みに驚いたが、ずっと家にいるわけにもいかない」とこぼした。

 神奈川県内では今夏、全25か所の海水浴場が開設されなかったものの、梅雨明け後は、湘南海岸沿いの道路が連日渋滞。海岸で混乱やトラブルが生じかねないとして、藤沢市や県などはライフセーバーや警備員を配置する事態となったほか、ドローンを活用し、水難事故に目を光らせる。同市の担当者は「『海岸に来ないで』と伝えても来てしまう。感染防止やマナー向上を呼びかけるしかない」とため息をついた。

 千葉県館山市の北条海岸では、海水浴を楽しむ親子連れの近くで水上バイクのエンジン音が鳴り響いた。

 海水浴場が開設されなかったため、遊泳するエリアはブイで囲われておらず、利用が禁止されていない水上バイクやウィンドサーフィンがすぐそばを通る。一時は水上バイクを海に降ろせないよう柵を設置する動きもあったが、実現しなかった。同市観光みなと課の今井幹雄課長(55)は「事故が起きなければいいが……」と気をもむ。

 水上バイクを巡る苦情は相次いで寄せられており、千葉海上保安部館山分室の今家晃一分室長(51)は「海と海岸から総動員で監視し、安全の確保を図る」と話す。

 全国で4割の海水浴場が開設を見送る中、静岡県下田市の白浜大浜海水浴場は感染対策を徹底して開設に踏み切った。砂浜の入り口は11か所から5か所に制限し、警備員が検温する。浜では4メートル四方の区画が作られ、密を防ぐ。

 友人と訪れた新潟市の会社員高橋裕馬さん(20)は「湘南の海水浴場が開設されないので来た。感染予防をして楽しみたい」と話した。

0 件のコメント:

コメントを投稿