2020年9月1日火曜日

滋賀県庁© 京都新聞社 滋賀県庁  滋賀県立の定時制高校に通う男子生徒が昨年、当時の同級生から髪の毛を切られたり、殴られたりした問題で、県教育委員会は1日、事案に対する学校側の対応が不十分だったとする調査結果を県議会教育・文化スポーツ委員会で報告した。いじめの事実確認や加害生徒2人への指導が不十分だったとして、再発防止に向けて指導体制の見直しや充実を図るべきと結論づけた。
 調査結果によると、高校1年生だった被害生徒は昨年5月、県内の商業施設で加害生徒2人を含めた複数人にはさみで髪を切られ、6月に加害生徒2人のうちの1人から呼び出され、もう1人から殴る蹴るの暴行を受け、けがを負った。
 いじめの背景の一つに、被害生徒が加害生徒のグループ側からバイクを強制的に買わされるトラブルがあったとし、収入がある定時制生徒が金銭トラブルに遭わないための教育なども必要とした。
 再発防止策として、生徒の見守り体制の見直しや生徒指導の充実、臨床心理士らによる感情をコントロールするトレーニングの実施などを提言した。
 学校は昨年、いじめ防止対策推進法が定める重大事態に認定。弁護士ら外部専門家を含めた校内のいじめ対策委員会は今年6月、重大事態と認める調査結果をまとめた。
 県教委幼小中教育課生徒指導・いじめ対策支援室は「今回の事案を重く受け止め、教訓として各学校に伝えて再発防止に努めたい」としている。

0 件のコメント:

コメントを投稿