【李登輝氏死去】
「日台間の友好増進に多大なる貢献を果たされ、自由・民主主義、基本的人権・法の支配といった普遍的価値が台湾に定着していく上で極めて大きな役割と貢献を果たされた」。菅氏は李氏の功績について、こうも強調した。
政府が現在、台湾を「普遍的価値を共有する、極めて重要なパートナー」(「外交青書」)と位置付けているのも、李氏が強い指導力で台湾を民主化に導いたからだといえる。
日台は正式な外交関係を有しないものの、経済を中心とした実務関係を発展させてきた。
日本政府は、台湾が環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加に台湾が前向きな姿勢を示していることについて歓迎の意を表明。台湾が近年、中国の反対で世界保健機関(WHO)への参加を拒まれている問題でも、台湾の立場を支持してきた。
ただ、台湾を「不可分の一部」と主張する中国は、台湾と中国は特殊な国と国の関係にあるとの「二国論」を提起した李氏が死去したことで、台湾で独立志向が高まることを警戒しているとされる。
日本政府は過度に中国を刺激するのは得策でないと判断しているとみられる。記者会見で菅氏は「(李氏の)ご葬儀への政府関係者の派遣は予定はしていない」と明らかにした
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