2020年9月2日水曜日

(写真:読売新聞)© 読売新聞 (写真:読売新聞)  キャッシュカードの端にハサミで切り込みを入れ、使えなくなったように見せかけて持ち去る手口の特殊詐欺が全国で相次いでいることが警察当局への取材でわかった。東京都内では今年、8月までに185件が発生し、計約4億円が不正に引き出された。ハサミを入れる場所などを記した犯行マニュアルが出回っているとみられ、警視庁などが警戒を強めている。
■警察官装う
 「大阪や札幌のコンビニ店で、あなたの口座から60万円が引き出された」。目黒区の70歳代の女性宅に6月、警察官を装う男から電話があった。気が動転した女性は、問われるまま暗証番号を答えた。
 数時間後、警察の偽職員証を示す若い女が女性宅に現れた。「犯罪に使われたので破棄する」。女性からキャッシュカード8枚とクレジットカードを受け取ると、目の前で次々にハサミを入れ、「裁判所に持って行く」と言って封筒に入れて持ち去ったという。
 3日後、詐取されたカードで計1687万円が不正に引き出されたことが銀行からの連絡で判明し、女性は警視庁に通報した。
 警視庁によるとカードに切り込みを入れても、磁気テープやICチップなどが傷つかなければATMで使える。同様の詐欺は2月に確認された後、5月22件、6月31件、7月59件と増加し、8月は61件に上った。
 被害は北海道、宮城、埼玉、愛知、大阪、広島、福岡など、広い地域で確認されている。警察官を装うケースが多く、被害者の大半は高齢者だった。

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