■警察官装う
「大阪や札幌のコンビニ店で、あなたの口座から60万円が引き出された」。目黒区の70歳代の女性宅に6月、警察官を装う男から電話があった。気が動転した女性は、問われるまま暗証番号を答えた。
数時間後、警察の偽職員証を示す若い女が女性宅に現れた。「犯罪に使われたので破棄する」。女性からキャッシュカード8枚とクレジットカードを受け取ると、目の前で次々にハサミを入れ、「裁判所に持って行く」と言って封筒に入れて持ち去ったという。
3日後、詐取されたカードで計1687万円が不正に引き出されたことが銀行からの連絡で判明し、女性は警視庁に通報した。
警視庁によるとカードに切り込みを入れても、磁気テープやICチップなどが傷つかなければATMで使える。同様の詐欺は2月に確認された後、5月22件、6月31件、7月59件と増加し、8月は61件に上った。
被害は北海道、宮城、埼玉、愛知、大阪、広島、福岡など、広い地域で確認されている。警察官を装うケースが多く、被害者の大半は高齢者だった。
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