藤井聡太二冠の「聡」の字は、どういう意味を表すか
新型コロナウイルス関連の報道ばかり中、つねに前向きの明るい話題を提供し続け、世の人々を元気づけてくれたのが、17歳でタイトル獲得を成し遂げた藤井聡太二冠(王位・棋聖)です。
お名前もいかにも本人のイメージとピッタリ重なるような名づけですが、もちろん名前でその人の能力や生き方が決まるわけではなく、「聡」の字を名前に入れれば皆が必ず彼のようになるということではありません。
ただ「聡」の字はどのような成り立ちの字か、というお話をしますと、左側は“人の耳”を描いたものです。右側は“窓”と“心臓”を描いた絵のようで、断定はできませんが、”息をいっぱい吸って心臓が活発に動くこと”を表すものとも解釈できます。
つまり“大量に含む”というような状態です。糸をつければ「総」の字になりますが、これはたくさんの糸がまとまった状態を表わします。建物を表すウカンムリをつければ「窓」の字になり、空気をいっぱい取り入れる所を意味します。
ですから「聡」の字は、「耳から聞くことがいっぱい入り込む」という意味と考えられます。すなわち「すぐれた吸収力、記憶力」を表す字なのです。
その他の知的な意味を表す字って?
お子さんに「知的なイメージの名前をつけたい」と願う親も多いですが、では「聡」の字の他に知的な意味を表す字はどんなものがあるでしょうか? いくつかあげてみましょう。・知
矢(早いこと)と口を合わせ、「手短かにハキハキ話す」を意味する字
・智
知と成り立ちはほとんど同じ字です。やはり「手短かにハキハキと話せる」という意味する字
・慧
彗(ホウキ)と心を合わせ、きめ細かい、緻密な心の状態を表します。精密なことを把握する能力を意味する字
・惺
心と星(はっきり見えること)を合わせ、「賢い」の意味をもつ字です
・賢
臣(下を向く目)と、又(手をあらわす)と、貝(宝石・お金)を合わせ、金銭や貴重品を数えること、扱うことを表す、緻密なイメージの字
・悟
心と吾(明確なこと)で、「はっきり意識する」という意味をもつ字
・聖
耳と、口と、しっかり立つ人の姿を描き、耳と口の機能がすぐれていること、すなわち聞き上手、話し上手、ということを表し、器用で機敏なイメージの字
なお漢字一文字で名前にした場合、「惺」はサトシと読み、慧はサトルと読み、そのほかの聡、知、智、賢、悟、聖の字はサトシ、サトルの両方の読み方があります。
知的な名づけをする際に注意したいのは、例えば同じ「勉(つとむ)」という名前をつけても、勉強をする子としない子が出てくるということです。親が「勉強すればいろいろな道が開ける」というふうに夢をもっていて、勉の字によいイメージを感じるという場合は、結果としてお子さんも勉強するようになるでしょう。
しかし「つまらない勉強でも頑張って励むように」と願って、まじない的に勉の字をつけたなら、「勉強がつまらない」という親の感覚がお子さんに伝わりますから、お子さんも勉強が好きにはなりません。本人に伝わるのは名前ではなく、親の感覚のほうなのです。
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