8月20日 よみうり寸評
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スタート地点はどこでもいい。それどころか、いつ走り出し、走り終えるか各自に任されているゲームがある◆ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』(河合祥一郎訳)に出てくる〈党大会レース〉である。といっても政治イベントではむろんない。アリスらはとにかく走り、やがて競走を終える。参加者のすべてを勝者として…◆さて、こちらのゲーム、いや協議はどうだろう。きのう解党を決めた国民民主党の話である。立憲民主党との合流というゴールがやっとみえてきたが、党代表は参加しないらしい◆立憲との路線対立が背景にあろう。振り返ると、旧民主党勢力が離合集散を繰り返した末にできた両党である。理念や基本政策という立脚点の違いをどう乗り越えていくか、先がみえないということだろう◆合流して生まれる新党を思う。今度は立脚点を同じくして政策力と遂行力を示せるかどうか。選挙目当てで結党大会へとひた走るだけなら、ワンダーランドの党大会レースのごとき結果はやはり得られまい。
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