IR汚職事件、秋元衆院議員を逮捕…証人買収を主導した疑い
カジノを中核とする統合型リゾート(IR)を舞台とした汚職事件を巡る証人買収事件で、東京地検特捜部は20日、収賄罪で起訴され、保釈中だった秋元司・衆院議員(48)を組織犯罪処罰法違反(証人等買収)容疑で逮捕した。秋元被告の逮捕は3度目。特捜部は、秋元被告の地元事務所や衆院議員会館の事務所を捜索。秋元被告が証人買収を主導した疑いがあるとみて実態解明を進める。
発表などによると、秋元被告は、同法違反容疑で今月4日に逮捕された会社役員・淡路明人 (54)と同・佐藤文彦(50)の両容疑者と共謀し、6月27日に那覇市内のホテルで中国企業「500.com」元顧問・紺野昌彦被告(48)(贈賄罪などで起訴)にウソの証言をする報酬として現金1000万円の提供を申し込み、7月22日にも2000万円の提供を申し込んだ疑い。
秋元被告は内閣府のIR担当副大臣だった2017年9月~18年2月、紺野被告らから議員会館で現金300万円を受け取るなど、総額約760万円相当の賄賂を受領したとして起訴された。紺野被告らは起訴事実を認めている一方、秋元被告は全面否認している。 関係者によると、実際に紺野被告と面会したのは佐藤容疑者だった。周囲に淡路容疑者の指示で動いていたことを示唆しており、那覇市まで現金を持参し、議員会館で秋元被告に会っていないと証言するよう紺野被告に迫っていた。淡路容疑者は、こうした働きかけについて「秋元被告に頼まれた」と供述しているという。 特捜部は一連の経緯から、証人買収は秋元被告が主導した疑いがあると判断し、逮捕に踏み切った。 秋元被告は今月5日、取材に対し、淡路容疑者は自身の支援者で、保釈された2月以降、複数人で食事をしたことがあったと説明。一方、買収を頼んだり、逆に持ちかけられたりしたことはないとして、証人買収事件への関与を否定していた。 秋元被告は国会議員秘書を経て、04年の参院選で初当選。10年の参院選で落選したが、12年の衆院選で国政に復帰し、現在衆院3期目。IR汚職事件で逮捕された昨年12月25日付で自民党を離党した証人買収事件では、会社役員の宮武和寛容疑者(49)も、「500」社元顧問・仲里勝憲被告(48)(贈賄罪で起訴)に偽証の報酬として現金数百万円の提供を申し込んだ疑いで逮捕されている。
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