ミナミの街閑散、5時開店も客ゼロで8時閉店…「このままでは立ちゆかない」
新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、大阪府は6日、大阪・ミナミ(大阪市中央区)の一部エリアの接待を伴う飲食店などに、休業や営業時間の短縮を要請した。休業要請は約2か月ぶりで、ミナミの街は閑散とし、店舗関係者から困惑の声が上がった。
「これ以上店を休むのは本当に厳しい」。ミナミの対象エリア内でおでん店「あじ菜」を営む新井朝二さん(68)はため息をついた。4~5月の緊急事態宣言中は店を休み、解除後に再開したが客足は戻らず、6~7月の売り上げは前年比で7~8割も減っていた。この日は午後5時に開店したが、客はゼロで、午後8時前に店を閉めた。
新井さんは「ある程度予想はしていたが……。このままでは店が立ちゆかない」と肩を落とす。
要請は改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づくもので、長堀通、千日前通、堺筋、御堂筋に囲まれたエリアが対象。接待を伴う飲食店やバー、カラオケ店のうち、業種別の感染予防ガイドラインに従っていることを示す府の「感染防止宣言ステッカー」を掲示していない店に休業を、掲示している店や酒を提供する居酒屋などには午後8時までの時短営業を求める。
府・市は要請に従った場合、感染防止宣言ステッカーを掲示していることを条件に、1日あたり計2万円の協力金を支払うとしている。
府が要請に踏み切ったのは、ミナミでの感染拡大に歯止めがかからないからだ。ミナミでは6月1日~7月28日、キタ(大阪市北区)の3倍以上にあたる279人の感染が確認され、このうち136人が要請エリア内に集中していた。
要請初日のこの日、ミナミの街は閑散とし、多くの店の入り口に、臨時休業や営業時間の変更を知らせる貼り紙が掲げられていた。
ある居酒屋は、正午~午前2時の営業時間を午前9時~午後8時に変更した。男性店主(35)は「朝食や早めの昼食で来てくれるお客さんもいるかもしれない。協力金は全く足りず、できることをしないと」と話す。
一方、御堂筋を挟んで西側のアメリカ村は要請エリア外で、普段と人通りはほとんど変わらなかった。
ワインレストラン「チーズ工房アロアロ」の店主・泰地正さん(61)は「対象外でほっとしたが、今後、ミナミに飲みに来る人が少なくなれば影響は受ける。厳しいことに変わりない」と心配そうに話していた。
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