2020年8月7日金曜日

厚生労働省が入る合同庁舎=東京都千代田区、滝沢卓撮影© 朝日新聞社 厚生労働省が入る合同庁舎=東京都千代田区、滝沢卓撮影

 新型コロナウイルス対策について厚生労働省に助言する専門家組織(アドバイザリーボード)の会合が6日あり、一部地域での急速な拡大に伴い、感染拡大の速度が3、4月のときに近くなっているとして、「憂慮すべき状況」と評価した。

 保健所や医療機関の対応にはすでに悪影響が生じ、一部地域で医療提供体制が逼迫(ひっぱく)する懸念が見られるとし、「新規感染者数を減少させるための迅速な対応」を求めた。7月30日の前回は都市部を中心に増加しているが「3、4月のスピードより緩慢」としていた。

 感染者急増の地域について、会合後の会見で座長の脇田隆字・国立感染症研究所長は東京、大阪、福岡などを挙げたほか、「沖縄はかなり急速な拡大だと認識している」と述べた。会合の資料によると、1人の感染者が何人に感染させているかを示す実効再生産数は7月18日時点で首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木)は1・1、中京圏(愛知、岐阜、三重)は2・0、関西圏(大阪、兵庫、京都、奈良)は1・5、九州北部(福岡、佐賀)は2・1となっている。

 厚労省の集計によると、8月5日までの1週間で、人口10万人あたりの新たな感染者数は7・33人で前週の1・5倍。感染経路が不明な割合も7月31日までの1週間は前週とほぼ同じ52%だ。検査が十分行き届いているかの目安になる陽性者と検査数の割合(陽性率)も直近は6・7%と7週連続で上昇している。

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