2020年8月7日金曜日

横断歩道手前の「ダイヤマーク」、6割「意味知らない」…80代以上では8割超


横断歩道の存在を知らせる「ダイヤマーク」(甲府市で)
横断歩道の存在を知らせる「ダイヤマーク」(甲府市で)

 前方に横断歩道があることを示す道路標示「ダイヤマーク」について、山梨県警が県内の約2600人にアンケートを実施したところ、マークの意味を正しく知らない人が6割超に上ることが分かった。重大事故につながりやすい横断歩道上の事故を防ぐため、県警は周知を徹底していく方針だ。(鈴木経史)

 ダイヤマークは、信号機のない横断歩道や自転車横断帯の手前30~50メートルの路面に書かれたダイヤ形の道路標示。車の運転手に横断歩道が近くにあることを事前に知らせる役割がある。

 アンケートは4~5月に免許更新などで県内の警察署を訪れた10~80歳代の男女を対象に実施。ダイヤマークの意味を尋ねる質問をしたところ、「知らない」と回答した人や、間違った回答をした人の割合が6割超に上った。中でも80歳代以上が82・7%と最も高く、20~30歳代も65・7%あった。

 県警交通企画課によると、昨年、県内で発生した横断歩道上の事故は前年比8件減の100件。昨年末には、道志村の国道413号で信号機のない横断歩道を渡っていた70歳代の男性が軽乗用車にはねられ死亡した。同課の担当者はアンケート結果に「ダイヤマークを知らないまま横断歩道を渡っている歩行者に気づくのが遅れれば、重大事故につながりかねない」と危機感を示す。

 県警は今後、街頭活動などを通してダイヤマークの周知を進めていく方針だ。さらに、歩行者と運転手が手を使って横断歩道を渡る意思を確認し合う「ハンドサイン運動」の普及や、横断歩道での取り締まりを通して歩行者優先の意識の徹底も図る。

 県警の功刀康友交通部長は先月30日の定例記者会見で「免許保有者の3人に2人がダイヤマークを知らず、県民に浸透していないことが分かった。夏休み期間を中心に横断歩道の取り締まりを強化し、周知を進めていく」と話した。

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