2020年8月3日月曜日



医療相談室

  • 約2時間の記憶がない
 先日親族が訪ねてきたのに、2時間ほどぼーっとしてしまったようです。私の記憶にはなく、インターネットで見つけた「一過性全健忘」の症状と似ている気もします。今は様子を見ていますが、一人暮らしなので心配です。(74歳女性)

脳神経内科・外科 受診を
久保田 有一 東京女子医大東医療センター脳神経外科講師(東京都荒川区)
 高齢者がぼーっとしていると気づいたとき、周囲の人はまず、意識があるかどうか、確認する必要があります。具体的には、呼びかけて、名前や場所、日付を尋ねてみます。反応が乏しい状態が続く場合は、脳 梗塞こうそく など脳卒中の可能性があり、急を要します。
 一方、相談者が考えている一過性全健忘の場合は、突然、自分の置かれている状況が分からなくなり、記憶することができなくなります。本人は「ここはどこ?」「今日は何日?」といった質問を繰り返すことが多いのが特徴です。数日でゆっくりと回復しますが、発作中の記憶は欠落したままです。同じような症状が再発することは基本的にはありません。
 ほかにも、高齢者のてんかんが考えられます。けいれんを起こさず、倒れることもありませんが、呼びかけても反応はありません。口をくちゃくちゃと動かし、ガムをかむようなしぐさをすることもあります。通常は数分程度で元に戻ります。繰り返し発作が起こるので、抗てんかん薬による治療が必要です。
 いずれの場合にせよ、このような症状があれば、脳神経内科や脳神経外科を受診してください。

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