朝乃山の大関昇進伝達式が行われた3月25日の夜、富山商時代の中村淳一郎コーチは、娘たち2人のリクエストで、数秒の昇進を祝福する動画を送った。今でも家族ぐるみで親交が深く、「バシ(朝乃山の愛称)はいつも時間の合間を縫って返事をくれる」と語るが、この日はひと味違った。
その日のうちに返信が来ると、まさかの自撮り動画。「コハル、ミハル、ありがとう~」と、新大関が満面の笑み。日頃は「朝乃山さん」と慕ってくれる子供たちに見せた神対応。まさかのサプライズに中村コーチも「動画で返ってくるのは初めて。コロナの影響を受けて外出自粛などで時間的にも余裕があるんですかね。かわいらしいやつですよ」と声をうわずらせた。
◆同郷画家からアンビグラム
朝乃山と同郷の画家は期待を作品に込めてエールを送った。同じ富山市出身で、ひっくり返しても読める文字「アンビグラム」を創作する野村一晟さん(29)は場所中に「朝乃山」を180度回転させると「全勝」になる巧みな作品を制作。地元紙で対談の話もあった大関に「来場所は『全勝』で優勝して、横綱を目指してほしい」と富山で109年ぶり、太刀山以来の横綱誕生を祈願した。
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