2020年8月3日月曜日

© マネーポストWEB 提供 幻のチケットになる可能性も?(Tokyo2020=時事)  2020年7月から8月まで開催されるはずだった東京五輪。新型コロナウイルスの感染拡大で大会の1年延期が決まり、さらには目下、開催都市の東京で感染者が再び急増している。本当に1年後、世界中からアスリートと観客を集めて開催できるのか。
 もし東京五輪が「延期後に中止」となれば、避けられないのが「チケットの払い戻し問題」だ。
 組織委はすでに五輪チケット約448万枚を販売済み。3月の「延期」の決定後には、公式HPに〈日程変更後に来場が困難な場合等には、希望者に払い戻しを行う予定〉と掲載。近く詳細が発表される見通しだ。
 しかし、この払い戻しは「延期」で都合が合わなくなった人が前提。「中止」の場合には触れられていない。開会式のチケットに当選し、24万円を支払った関西在住の50代会社員はこう話す。
「正直、迷っています。家族も知人もカネに換えられない経験だからと観戦を勧める。ただ、“中止が決まったら返金されない”という話も聞く。コロナで残業がなくて給料も減ったし、金額も大きいからね。どうすればいいのか……」
 一時は当選の喜びに沸いた人たちが、一転して悩ましい立場にあるのだ。
「チケットの売り上げは組織委の収入の1割強を占める。中止で全部払い戻す資金が捻出できるのか疑問です。組織委は〈規約には『払い戻し不可』との記載はない〉と声明を発表した一方、“中止でも払い戻す”とは明言しない」(スポーツ紙記者)
 改めて組織委に尋ねても、「(中止という)仮定の状況における対応については回答を控える」(戦略広報課)とするのみ。
 状況は不透明だが、スポーツ紙の五輪担当グループのデスクはこう話す。
「払い戻しがないとなったら、メディアが“おかしい!”とキャンペーンを打つんじゃないか。社によっては記者たちに応募させて、取材したい競技の当選チケットを会社が買い取っていた。スタンド観戦でも書ける記事はありますから。買取額が数千万円にのぼる社もあるといい、払い戻しがないと大変なことになる」
 日本中を巻き込んだ大騒動となるかもしれない。
 ※週刊ポスト2020年7月31日・8月7日号

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