2020年8月3日月曜日

女性に求める“当たり前”とは?(イメージ)© マネーポストWEB 提供 女性に求める“当たり前”とは?(イメージ) 「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」。7月にTwitterでの投稿をきっかけに議論を呼んだポテサラ論争だが、「○○なら、こうすべき」という価値観の押し付けは、その対象が「母親」に限ったことではない。これがもう少し広げて「女性」を対象としてみるとどうだろうか。「女性ならこうすべき」という価値観に苦しんできた当事者たちの話を聞いた。
 30代の女性会社員・Aさんは、「女性は“仕事以外”のことが求められ、常にそれを強いられている」とこぼす。
「30代になり、必要以上に笑顔をつくって愛想をふりまくことをやめました。そうしたら、私のいない飲み会で、上司が『昔は可愛かったのにねー。生意気になった。女なら笑顔、愛嬌だよな』と話していたらしいんです。このことを同僚から聞いた時はショックでしたね。
 他にも、サラダを取り分けたり、お酌しないと『気が利かないな~』とぼそっと嫌味を言われる。あるときは上司から、『女なんだからお酌してきて』と、役員へのお酌を強要されました。厄介なのは、そういう男性がいるから、女であることを利用する女性もいることです。女が全員、“女”を武器にしたいわけではないと言いたいです」
 さらに「仕事で成果を出したとしても、私が女であるために余計なことを言われる」と、Aさんの憤りは収まらない。
「事前調査やプレゼン、資料作りなどを頑張って、努力して契約数を上げたのに、『いいよなー、女子はおっさんに気に入られて』みたいな感じで、陰口を叩かれたことがあります。成果を出しても、なぜか『女は楽でいいな』という認識で認めてもらいにくい。反面、結果を出さないと『女は使えない』と言われる。もうどうすればいいのかわかりません(苦笑)」(Aさん)

「女じゃ話にならない。男を出せ」

30代の女性会社員・Bさんも、男性が持つ「女性とはこういうもの」というイメージでレッテルを貼られることにうんざりだと語る。
「多くの男性って、女性なら料理も掃除も整理整頓もできると思っていませんか。すべての男性とはいいませんが、専業主婦家庭で育った人には多い気がします。当然、自分の彼女や妻には“そのレベル”を求めてくる。私は料理ができないし、家事も苦手です。なんなら部屋だって常にきれいとは言い難い。そう言ってしまうと、『婚期が遅れるよー』『行き遅れるぞ』とか失礼なことを平気で言ってくる人もいる。女性というだけでやたら結婚が話題にされるのも不快です」(Bさん)
 そうした弊害は、Bさんの性格やスタイルにも影響が及んでいる。「サバサバ」「気が強い」「群れないと変わり者扱い」などの言葉に不快感を抱くという。
「ちょっと愛想がよくないだけでサバサバ、言い返しただけで気が強い、面倒な女、他の女性社員とあまり群れないで、1人の行動が多いとなぜか変わり者。ちょっと強く言うとヒステリック……。社会に出てから、そんな風に評されることが多くなった気がします。私が女子校出身だとわかると、たいていの場合、『あー、やっぱり。女子校出身っぽいね(笑)』とも言われます。男性ならそういうこともいちいち言われないと思うのに、不思議です」(Bさん)
 20代の女性販売員・Cさんは理不尽なクレームを受けた際に、「女じゃ話にならない。男を出せ」と言われたことがトラウマだ。
「年配の男性が『返品したい』と言ってきた時のこと。未使用かつ汚れなどがあればお取り替えすることもあります。それでも、あくまでも返金はしないスタンス。その旨を話すと『おかしいだろ』の一点張りで、あげく『お前では話が通じない。男をだせ!』と怒鳴ってきて……。『責任者を出せ』ならまだわかるんですが、若い女性というだけでなめられてしまう。理不尽です」(Cさん)
 ポテサラ論争は、母親に対してだけでなく女性全体への偏見も見直す機会なのかもしれない。

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