相撲自体は、昔と変わってないんだ。力任せの取り口は相変わらず。
もう少し膝を曲げて、立ち合いもちゃんと手を付けばよいのに――と思っていたら、どうやら「膝が伸びなくなってしまって、土俵から下りるのもきつかった」と、場所後に言っていたとのこと。今後も、さらにケガに気を付けなきゃな。
それと、今場所は、よく相手を見て分析していたね。相手が最初の一発目でどう出てくるか、足の出てくるところなどを、よく見ていたんだ。
「気持ちの勝利」だと思うよ。
ひとり大関としてよく頑張った朝乃山。
新大関として土俵に上がった朝乃山だけど、照ノ富士と逆で土俵に上がる前から、顔が緊張しているのがわかる。優勝争いで負けられない14日目。照強戦で足を取られ、ひっくり返って3敗目となってしまった。白黒の世界だから「勝てば良し」とはいえ、照強はその後のインタビューで「昨日の夜から付け人と足取りの練習をしていた」とかなんとか、興奮してペラペラ喋り過ぎだよ。そういうのは相手に失礼なの。礼儀が足りないよ。
朝乃山は、千秋楽の正代戦もそうだったけど、立ち合いがあまりよくなかったね。上から左上手を取りにいってるんだよな。それまでは、当たって右差して左前みつを取って、といういい形だったんだけど、その形が中日あたりから崩れてきた感じ。
でも、両横綱も、もうひとりの大関の貴景勝も休場したなかで、ひとり大関として最後までよくやったと思う。
まだ新大関なんだから、来場所に期待してるよ。
「実はケガで痛かった」と、すぐ休場しちゃう。
横綱ふたりは、もういつ辞めてもいいよ。ちょっと負けると「実はケガで痛かった」と、すぐ休場しちゃう。言い訳にしか聞こえなくなってくるんだよな。
今場所は関脇・小結の三役がよく頑張った!
全員勝ち越して、特に大栄翔は白鵬にも勝ったり、よく稽古しているのがわかる相撲なんだ。前に出て、まわしを取らせない押し相撲に徹している。
正代も、今までは立ち合いでのけぞるような形になるのが指摘されて来たけど、それが無くなったね。相撲自体は、基本当たって攻めるタイプで変わってはいないんだけど、体が前に出るようになってるからなんだ。
誰にでも優勝の機会があると分かった場所。
10勝5敗とか5勝10敗など、2ケタ勝った力士と大負けした力士が多かったんだ。4カ月ぶりの本場所だったけれど、その4カ月間をどう過ごしたかが出たんじゃないかな。すぐに9月場所を迎えるけど、来場所からまた元の流れが戻ってくると思うよ。
新型コロナ感染者はもちろん、他に大きな怪我や病気もなく、無事に終わってよかった。
協会の職員さんたちなど、周りの人たちも本当に気を遣ってくれて15日間を無事に乗りきれた。
照ノ富士の復活優勝ということで、誰にでもチャンスがあるってわかったし、ケガと闘っている若い力士たちにいい見本を見せてくれたよね。
本当に、今場所はみんな面白い相撲を見せてくれたと思う。
ありがとうね、お疲れ様。
場所後は疲れて、免疫力も下がっているから、今後の生活も気を緩めないで、注意しながら9月場所を迎えよう!
(構成・佐藤祥子)
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