2020年8月28日金曜日

笑顔でゴルフに臨むトランプ米大統領(左)と安倍晋三首相=2019年5月、千葉県茂原市(AFP時事)© 時事通信 提供 笑顔でゴルフに臨むトランプ米大統領(左)と安倍晋三首相=2019年5月、千葉県茂原市(AFP時事)  【ワシントン時事】トランプ米政権は、安倍晋三首相の突然の辞意表明に衝撃を受けているとみられる。首相は「海外首脳の中でトランプ大統領と最も良好な個人的関係」(ボルトン前大統領補佐官)を構築してきたためだ。米国はトランプ氏との相性も含め、後継選びを注視している。
 外交・安全保障面で、日本を東アジア地域の最も重要な同盟国と位置付けているトランプ政権は、首相が打ち出した「自由で開かれたインド太平洋」構想を支持。北朝鮮の非核化をめぐる米朝協議に際しては、トランプ氏が金正恩朝鮮労働党委員長に拉致問題を提起するなど、首相と緊密に連携してきた。
 米保守系シンクタンク「アメリカン・エンタープライズ政策研究所」のザック・クーパー研究員は、安倍政権が国家安全保障局や同盟調整メカニズムの設置など「日米同盟を強化する多くの改革を実行してきた」と指摘。長期にわたって安定的な政治リーダーシップをもたらしてきた首相の退陣により「米国は大きな調整を迫られる」と語った。
 2019年5月と6月、トランプ氏の異例となる2度の訪日が実現した背景にも、首脳間の親密な関係があった。クーパー氏は「どの後任候補もトランプ氏と同様の親密な個人的関係を持てるかは疑わしい」と懸念を示す。
 トランプ氏は18年にイラン核合意を離脱後、イラン側との新たな合意に向けた交渉を目指し、首相に仲介を依頼。首相はテヘランを訪れ、最高指導者ハメネイ師らと会談したが、失敗に終わった経緯がある。 

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