サウナの効用<6>コロナ対策 指針で促す
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「コロナ禍で苦しい。でも、安心して楽しんでもらうために徹底したい」
東京・上野のサウナ施設「北欧」の支配人・菅 剛史 さん(50)は、新型コロナウイルスの感染防止策について、こう強調する。
感染拡大に伴う自治体の要請に基づき、「3密」になる恐れがあるサウナ施設は4月以降、全国的に休業を余儀なくされた。北欧もその一つ。4月18日から休業し、6月1日に再開したが、利用客は1日80人程度と低迷する。新型コロナが確認される前の昨年12月と比べると、8割も減った。
苦境の中でも力を入れるのが感染対策だ。混雑を避けようと、入場を予約制にしたり、サウナ内の人数を制限したりした。利用客に名前と電話番号を記入してもらい、感染者が出たら、同じ時間帯にいた人に連絡できるようにした。
こうした対策の基になっているのが、サウナを愛好する医師らでつくる「日本サウナ学会」が6月に公表した新型コロナ感染防止ガイドライン(指針)だ。施設側の対策だけではなく、会話を控えるなど利用客への注意喚起も盛り込んだ。
指針を中心になってまとめた医師の塩谷隆太さんは「対策は厳しすぎても緩すぎてもダメ。どんな対策を取ればいいのか理解する参考にしてほしい」と語る。
ここで議論になったのが「熱波サービス」の扱い。熱波師と呼ばれるスタッフが、サウナ内で熱した石に水をかけ、発生させた蒸気をタオルで拡散させ、発汗を促すパフォーマンスだ。
学会内からは「感染予防の観点から望ましくない」と否定的な意見も出た。しかし、熱波サービスは近年のサウナ業界を盛り上げる一助にもなっており、開始前の換気などを条件に認めることにした。
熱波師で、お笑い芸人の箸休めサトシさん(39)は、サービス開始前に利用客との掛け合いで笑いをとるのが売りだ。でも今はそれを封印し、口にタオルを巻くなどの対策を取る。箸休めさんは「安心して楽しんでもらうために最善を尽くしたい」と語る。音声ガイダンスを使って熱波サービスを提供する施設もある。
塩谷さんは「対策を取れば感染のリスクは下げられる。対策済みのサウナ施設を学会のホームページで公開するなど、安心して利用できる仕組み作りを考えたい」と話す。(加納昭彦)
(次は「斜視」です)
■日本サウナ学会の新型コロナウイルス感染防止指針の概要
・サウナ室内での会話は可能な限り控える
・ドアを開閉する場合はタオルなどを使って直接手を触れない
・利用人数を制限し、利用客は間隔を1メートル以上あける
・感染者が確認されたら休館し、同時間帯の利用客らに連絡する
・ドアを開閉する場合はタオルなどを使って直接手を触れない
・利用人数を制限し、利用客は間隔を1メートル以上あける
・感染者が確認されたら休館し、同時間帯の利用客らに連絡する
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