木星の衛星に直径1万5600キロのクレーター…太陽系で最大級、小惑星の衝突痕か
木星最大の衛星「ガニメデ」の表面に太陽系で最大級の直径約1万5600キロのクレーターを発見したと、神戸大などの研究チームが米国の惑星科学誌に発表した。直径約300キロの小惑星が衝突した痕とみられ、衛星形成の経緯を探る手がかりになるとしている。 米航空宇宙局(NASA)の探査機ボイジャー1、2号と探査機ガリレオが撮影した画像を解析。ガニメデの表面に溝状の地形「ファロウ」が多数あることに注目した。詳細に解析すると、ファロウは同心円を描くように分布し、ガニメデ全体をほぼ覆う巨大なクレーターを形成していることがわかった。直径は、東京から南米ペルーの首都リマまでの距離に相当する。
データを基にコンピューターで計算をすると、40億年以上前に直径約300キロの小惑星が秒速20キロで衝突したとの結果が出た。衝突で発生した大量の熱エネルギーによって、ガニメデの内部に、岩石や鉄、氷の層が生じた可能性もあるという。
木星の衛星には2030年頃に新たな探査機を送る計画がある。神戸大の平田直之助教は「木星と衛星の成り立ちは太陽系の誕生に大きく関わっている。次の探査で衝突の影響などの手がかりが見つかるのを期待したい」と話している。
鎌田俊一・北海道大准教授(惑星科学)の話「ガニメデは金属の核を持つなど太陽系では特にユニークな衛星で、その形成過程の解明につながる重要な発見だ」
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