医療・健康・介護のコラム
新型コロナ、高齢、糖尿、心臓病、前立腺がんの私に今できることは?
緊急事態宣言が解除され、「ウィズコロナ生活」(コロナとともに生きる)が始まりました。第2波の到来も危惧されているので、細心の注意が必要です。
これまでの調査・研究を見ると、とくに、高齢者、持病(基礎疾患)を持つ方は、重症化リスクが高い上、死に直結する可能性もあるので、日常生活には普段以上に注意しなければなりません。そこで、今回は、持病を抱えている高齢者の方が、どのように「ウィズコロナ生活」を送ればいいのか、私自身を例にして述べてみたいと思います。
重症化の高リスク要因がいくつも
実は私は、新型コロナウイルス感染症に関する高リスク要因をいくつも抱えています。1番目は、70歳以上という高齢者であること。2番目は糖尿病で、血糖降下薬をいつも飲んでいること。3番目は、かつて心疾患で手術を受けたことがあり、いまも降圧剤や血液サラサラの薬を飲んでいること。4番目に、昨年判明したのですが、前立腺がん(ステージT2)を抱えていることです。さらに、もう一つ加えると、私は小太り(肥満気味)です。ニューヨーク州や英国のデータによると、肥満者(BMI 25.0以上)の重症化率は高くなっています。
つまり、もし感染したら、私はかなりの確率で重症化し、場合によっては、死を意識しなければならない危険があるわけです。糖尿病を抱え若くして亡くなった力士・ 勝武士 さん(28歳)、乳がん治療中に亡くなられた岡江久美子さん(63歳)、ヘビースモーカーでおそらく動脈硬化を抱えていた志村けんさん(70歳)などの例を挙げれば、コロナによる合併症の恐ろしさがわかります。
基礎疾患のある人は生活習慣に要注意
現在、日本で65歳以上の人口は3588万人(2019年)。このうち、どれくらいの方が、基礎疾患を抱えているか正確な統計はありませんが、推測するに、半数ほどの方がなんらかの基礎疾患を抱えていると思われます。そして、この比率は年齢が上がるにつれて高くなります。
たとえば糖尿病は、約330万人の患者がいるとされますが、ほとんどが高齢者です。高血圧患者はもっと多く約990万人、心疾患患者は約170万人です。そして、肥満にいたっては、男性の場合、全人口の約3割に達しています。
これらはいずれも、生活習慣病ですから、ライフスタイルを改善しないと悪化します。「新しい生活様式」(ソーシャルディスタンスを保つ、マスクを着用する、よく手を洗うなど)に加え、「食生活+適度な運動」を心がけるべきです。
私も食生活を変えた
糖尿病になり、また、冠動脈の 狭窄 から冠動脈バイパス手術を受けてからというもの、私は食生活を大幅に変えました。肉類中心から野菜中心のおかずにし、ご飯はお茶わん1杯150グラムまで。塩分も糖分も控えめにしました。とくに、塩分を取りすぎると、血液中のナトリウムの濃度が高くなり、それが高血圧につながり、心筋 梗塞 などのリスクを高めます。1日6グラムまでが許容量です。また、食事後に血糖値は一時的に上がる傾向があり、それを防ぐのに野菜摂取は欠かせません。
続いて運動ですが、1日、最低でも30分はなんらかの運動を心がけるべきです。「自粛」で家にいても、ストレッチなどは欠かしてはいけません。散歩やジョギングをされていた方は、「密」になる時間帯を避けて、近所の公園などで、運動を続けるべきです。運動は動脈硬化を防ぎます。
前記したように、私はいま前立腺がんを患っています。昨年、ダイナミックMRIによる検査の結果、「ステージはT2で、大きさは1センチほどです」と告げられました。しかし、私はなにも治療をしていません。なぜなら、前立腺がんは進行が遅く、放置していたほうが手術をするよりリスクが少ないからです。日本の医者は手術を勧めますが、アメリカではほぼしていません。
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