高齢者の「やせ」は不健康?…栄養取り 筋肉量確保を
Q うちのおばあちゃん、やせようと頑張ってる。オシャレに見えるからだって。
ヨミドック 65歳以上の高齢者がやせている状態は、健康によくないことが分かってきました。気を付けた方がいいですよ。
Q どういうことなの?
ヨ 高齢者の健康を調べた研究で、BMI(体格指数)が20台前半の標準的な人に比べて、18・5未満のやせている人は死亡のリスクが1・5倍前後に上がるという結果が出ています。BMIは、体重(キロ・グラム)を身長(メートル)で2回割ったものです。特に理由もなく体重が半年で5%以上減った人も要注意です。
Q 「やせ」より、肥満の方が悪いでしょ?
ヨ 中年の人は太りやすく、肥満になると生活習慣病につながる可能性があります。でも高齢になるとやせやすくなるんです。
独り暮らしになって食欲がわかなかったり、かむ力が衰えたりして、十分な栄養を取れなくなり、筋肉量が低下します。その結果、体重も減ります。あまり動かなくなると、食欲が低下する悪循環も招きます。心身の働きが弱るフレイルという状態になり、要介護状態にもなりかねません。
Q 脅かさないでよ。
ヨ 食事の栄養分が不足すると体の働きが弱るんです。
筋肉量が落ちることの悪影響を考えてみましょう。免疫力が下がり感染症にかかりやすくなるほか、傷の治りも悪くなります。重い肺炎や手術した後の細菌感染で命の危険にもさらされてしまいます。
Q おばあちゃんがそんなことになったら困る。
ヨ 1日3食、バランス良く食べ、体重の維持を心掛けましょう。筋肉のもとになる、魚や肉、卵などのたんぱく質をしっかりと。誰かと一緒だと食も進みます。独り暮らしでも、時には家族らと一緒に食べる機会を設けるのもいいですよ。
Q しっかりかんで食べることも大事だよね。
ヨ 日頃から「パ」「タ」「カ」「ラ」と発声する練習をしていると、口の周りにある筋肉の働きを高めます。入れ歯の人は、歯科医師にかみ合わせなどをチェックしてもらいましょう。
(米山粛彦/取材協力=小川純人・東京大准教授、東口高志・藤田医科大教授
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