この事業は、国内旅行の費用の一部を補助するもので、総額1兆3500億円が投じられる。赤羽一嘉国交相は17日の記者会見で、東京を対象外にすることについて「断腸の思いだ」と述べた。東京をいつから対象に含めるかは、今後の感染状況を踏まえ、専門家の意見を聞いて判断するとした。東京が対象から外れたことを理由に予約済みの旅行をキャンセルした場合のキャンセル料は、政府は補償しないという。
参加するホテルや旅館などの事業者は登録制とし、旅行者全員の検温と本人確認、浴場の人数制限などの対策を義務づける。若者や高齢者の団体旅行、大人数による宴会旅行などは感染を拡大させるリスクが高いとして、予約時などに控えることが望ましいと周知することも事業者に求める。こうした対策が不十分だと、登録が取り消され、旅行者が補助を受けられなくなることもあるという。
修学旅行は一緒に行動する顔ぶれが普段と変わらず、旅行でも感染リスクがあまり上がらないとして、東京以外は補助の対象にする。
また、旅行者には、発熱がある場合には旅行を控えるよう呼びかける一方、検温や本人確認などの事業者の指示に協力するよう求める。協力しない悪質な旅行者は、事後的に補助対象から外す。
しかし、団体旅行などで参加者全員の居住地をどう確認し、違反者が出た場合にどう対応するのかや、事業者の感染対策を事後的にどうチェックするのかなど、制度の詳細には今後詰める部分も多いという。事務局も17日に立ち上がったばかりで、事業者の登録もこれからだ。
また、東京に遊びに行くための個人旅行で隣接県に宿泊した場合の宿泊費が補助の対象になったり、生活圏が東京都に重なる人も多い首都圏のほかの自治体の住民は補助対象だったりと、感染対策としての効果を疑問視する声も出ている。(田中美保)
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